帝王切開の体験談②:手術中の恐怖と苦痛

2023年1月5日木曜日

出産 帝王切開

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二度と経験したくない帝王切開

1度目の帝王切開後、「二度と帝王切開は行わない」と固く決意したのも虚しく、現在までに2度の帝王切開を行っています。

これはその帝王切開の体験談です。

これから帝王切開を行う人」の心の準備に役立てていただければ、また、「パートナーが帝王切開を行う/行った人」が、彼女の苦難を知る手立てにしていただければ幸いです。

帝王切開の体験談の第2回目となるこの記事では、「帝王切開手術中の恐怖と苦痛」をテーマにお伝えします。

帝王切開手術中の恐怖

「帝王切開って麻酔かかっているから、経膣分娩より楽なんでしょ?」

なんて考えていませんか?

たしかに、経膣分娩のような叫ぶ痛みは“手術中”はありません。

代わりに、意識がある下半身麻酔ならではの“恐怖”を手術中は味わえます。

また、“痛み”に関しては、術後イヤというほどに味わえるので、ご安心ください。

最初の一刀

帝王切開が人生初めての手術でした。

破水からの緊急帝王切開のため、特段心の準備なく、あれよあれよと手術台に上り、さぁいきなり開腹手術です。

「最初の一刀」

特別恐怖とも思っていなかったのですが、いざ切られるとなると急に怖くなりました。

「麻酔が効いていなかったらどうしよう」

そう、麻酔が効いていなければ、切腹と同じ痛みをそのまま直に味わうことになります。

しかも介錯人なしです。

「最初の一刀」、これが、手術においてとても恐怖でした。もちろん、麻酔は効いており、痛みはなかったのですが…。

2度目の帝王切開でも、やはりこれは恐怖でした。もちろん、2度目もしっかり麻酔は効いておりました。

現代の医学って本当に素晴らしいですね。

手術中の会話

「最初の一刀」の次に怖かったのは、「手術中の会話」です。

下半身麻酔のため、意識はしっかりあります。
医師たちの会話が聞こえ、理解できる状態です。

1度目は研修医が宿直であったためか、そのまま帝王切開を担当することになりました。

上級医「麻酔したことある?」

研修医「いいえ、ありません。」

上級医「じゃあやってみよう。」

という会話が繰り広げられているのを、しっかり聞いているのです。

研修医「ここですか?ちょっとかたいです。」

上級医「そこじゃないね、このへんかな。」

という会話もばっちり耳にしています。

まさに実験台ですね。

「モルモットもこんな感じかしら」と他人事のように感じて冷静さを保っていました。

上級医の指導のおかげで麻酔はしっかり効いていたのでよかったです。

そして、おそらく研修医が縫合中、

研修医「○○先生は、とても上手で痕も驚くほどまっすぐできれいなんですけどね。」

上級医「ははは、そうだね。」

……ん?????????

自分の傷は今どのようになっているのでしょうか。
笑われるほどガタガタなのでしょうか。
ある意味、とても恐怖でした。

(傷の経過は別の記事で紹介いたします。)

手術ができる産科医が増えるのは良いことなのですが、ぜひとも会話に気を付けてもらいたいものです。
下半身麻酔の患者さんにはすべて筒抜けになっていますよ。

帝王切開手術中の苦痛

術後、主人にかけた第一声は子供に関する言葉ではなく、「二度と帝王切開はしない」という固い決意でした。

それほど手術が苦痛だったというわけです。

1度目の帝王切開

1度目は「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔」を使用しての手術でした。

麻酔開始数分後から、腰→足にかけて徐々にじんわりとあたたかく、しびれている感覚になります。

しっかり麻酔が効いたあとは、「圧されているな」という感覚はあるものの、切られた痛みはまったくありませんでした。

しかし、数分後から寒気が…。

10分もたつと口がガクガクとふるえ、息も絶え絶えです。

寒くて苦しい」です。

最初は「凍死する前はこんな感じになるのかな」と考えられるくらいの余裕はありました。

子供が産まれるまでの20分、これはなんとか耐えられます。

産声をきいて元気復活。子供はなんと偉大なことでしょう。

しかし、その元気も数分と持たず撃沈。

子供が産まれた安堵と、これ以上はお産ではなくただの手術という意識からか、気力0へ。

ただひたすらに寒い。唇が震え、歯はずーっとガチガチと音をたて、腕をみると鳥肌が。

腸とか内臓系を元の位置にもどしているのか、圧されて引っ張られて握られての違和感が。

血を吸い取っているのか、ズコーっという音とともに不快感がぐわーっと。
辛すぎて語彙力0です。

痛みは確かにないのですが、寒さと不快感が尋常じゃなくあり、これが永遠とも感じるくらいの長さでした。

実際には1時間なのですが。

あぁ…このまま意識がとんでくれたら…」なんて思うほどでした。

「手術が終わりました」と言われた時の喜びと言ったらはかり知れません。


余談ですが、術後、足を拭いて部屋着を着せてもらいますが、足の感覚がまったくなく不思議な体験をしました。

足の裏側を拭くために、一度あげて置かれたときは「ごとっ」となにか丸太でもおかれたのではないかという感覚で、自分の足がこんなに重かったんだなと少し悲しくなったのを記憶しています。

2度目の帝王切開

2度目は「脊髄くも膜下麻酔」のみであり、1度目とは比べ物にならないほど楽でした。

もちろん、最初の一刀は相変わらず恐怖で、多少の肌寒さもありました。

1度目になく、2度目にあったのは、吐き気です。

吐き気と共に、意識が少し遠のく感じがしたとき、

医師「血圧落ちてるね、ヱフェドリン2mL入れてー」

という声とともに、右腕の点滴部が冷たくなり、すぐに吐き気が落ち着きました。

意識も徐々にはっきりとしてきました。
あぁ…前回はこういう処置なかったな…」と1度目の人の手の足りなさを冷静に考えることもできました。

内臓を触られる違和感や、血を吸いとられる不快感も確かにありましたが、1度目ほどで苦痛ではありませんでした。

1度体感しており、覚悟ができていたからかもしれません。

どうせ長くても1時間だから、耐えられる

という気持ちもあり、1度目よりはるかに楽に手術を乗り切ることができました。
まぁ、本当の試練は、麻酔が切れた後の痛みなのですが…。

1度目と2度目の手術がここまで大きく異なったのは、スタッフの数によるところもあるかと思います。

2度目は日中の予定帝王切開であり、スタッフが10名ほどおりましたが、1度目は深夜の緊急手術で4名でした。

4名で10名分こなしていたと考えると、それはそれでとても凄いですよね。

いろいろありましたが、今は感謝しかありません。

結局、一番大事なことは母子ともに無事であることです。

1度目の帝王切開も、2度目の帝王切開も、手術は成功、子供も元気に産まれてきました。

術後の経過も良好で、現在子供2人とも健やかに成長しております。

以上、今回の記事では、「帝王切開手術中の恐怖と苦痛」に焦点をあわせてお伝えいたしました。

経膣分娩であれ、帝王切開であれ、出産は命がけです。

皆様の出産が無事行われることを祈っています。

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